太宰治の有名小説のひとつ、「人間失格」はご覧になられたことがありますか?
この映画は、主人公と3人の女性の存在が描かれた小説で、2019年に小栗旬主演で映画化されました。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、彼の『人間失格』を原作にした話ではなく、太宰と3人の女性との関係を中心に描いています。
写真家でもあり、カラフルな映像に定評のある蜷川実花監督が撮った作品で、太宰治の役を小栗旬さんが演じています。小栗旬さんがあまりに色っぽくて衝撃の一言です!
太宰治をとりまく3人の女性とは?
太宰と関係を持つ3人の女性の役には、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみが演じています。太宰を取り巻く3人の女性の特徴と愛の姿についてご紹介したいと思います!
太宰の妻・美知子(宮沢りえ)

美知子はしっかり者の妻であり、太宰との間に二人の子供がいますが、愛人との関係を黙認しています。
宮沢りえさんはかいがいしく夫の世話をする一方で、浮気者の太宰に耐え忍ぶ気丈な妻の役です。
夫の作家としての才能を信じている美知子は、太宰を叱咤激励しながら支えます。
太宰治は妻をモデルに、『ヴィヨンの妻』という小説を書いています。ヴィヨンの妻を読むことでも、美知子という人がどういう人物だったのかがわかるでしょう。
愛人1人目・太田静子(沢尻エリカ)

この太田静子は『斜陽』という小説のモデルになった女性です。太宰治という人は、小説を書くために付き合う女性を選んでいたようなフシがあります。
もともと太宰のファンだった作家志望の太田静子は、彼の子供をほしがりますが、太宰の目的は静子が書いた日記を自分の小説のヒントにすることでした。
「人間は、恋と革命のために生まれてきた」という静子のセリフを、まるで自分の言葉のように語る太宰。静子は、自分と連名で小説を書くように迫ります。
のちに静子は太宰の子供を生みますが、彼はこの子を認知し、養育費を支払っているんですね。
女グセの悪い太宰ですが、子供を可愛いがる父親としての顔も持っていたようです。
愛人2人目・山崎富栄(二階堂ふみ)

結核を患い、体調の悪い中で知り合ったのが山崎富栄です。太宰は、未亡人の富栄とも関係を持ちます。
彼の執筆の応援をする傍らで富栄は、太田静子に太宰との子供ができたのを知って死のうとします。
やむをえず太宰は『人間失格』を書き終えたら、富栄と一緒に死ぬことを約束します。
彼自身も結核を患っていたり、借金を抱えていたり、酒やタバコで体がボロボロの状態でしたから、いつ死んでもおかしくありませんけど、最後は富栄に押し切られたという感じです。
太宰治には、女性に逆らえないような気の弱いところがありました。
太宰が求めていたものはなんだったのか?

二人の子供がありながら、愛人の両方に子供を生みたいとせがまれる太宰治。ダメ男の典型です。
太宰はほとんど成りゆきで山崎富栄と心中しますが、妻への手紙に「おまえを誰よりも愛していた」と書き残します。
妻の気持ちとしては、夫が愛人と心中しているわけですから、そんなラブレターのような遺書を残されたとしても複雑な気持ちでしょうね。
太宰が最後まで求めていたのは“聖母”のような女性ですが、そういう意味ではやはり妻の美知子が近いと思います。
いつでも帰れる場所が男性には必要なのでしょうね。
そこに帰れなかったのは、妻が完璧すぎたこと、おそらく彼自身があまりに純粋で、人間として汚いところを妻に見せられなかったのではないかなと思いました。
見終わった後に少し切なさの残る映画です。



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